山口啓太
身体障害者の夫に交付された「駐車禁止等除外標章」を不正にコピーして使ったとして、警視庁は27日、東京都八王子市の無職女性(45)を有印公文書偽造・同行使の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。「駐車違反で取り締まられないために、夫が車に乗っていなくても常に使っていた」などと供述しているという。
捜査関係者によると、女性は2021年4月、50代の夫に交付された標章を自宅近くのコンビニエンスストアでカラーコピーし、23年3月、台東区浅草2丁目の「馬道通り」に駐車中、自家用車内のダッシュボードに掲出した疑いがある。
女性に身体障害はなく、知人に会うために1人で車を運転し、付近を訪れていた。駐車監視員が偽造した標章に気付き、浅草署に通報した。
都の場合、障害者用の標章は、視覚障害者や、肢体不自由などの障害がある人が交付を受けられる。車から乗り降りする障害者の体の負担を軽減するなどの目的があり、駐車禁止の規制から一部除外される。
書類送検、昨年は7件
警視庁駐車対策課によると、標章のコピーを作ったとして同庁が書類送検した例は22年に7件、21年に6件あった。同課の担当者は「ばれないと考え安易にコピーする例が目立つ。標章を必要とする障害者の迷惑にもなるので、悪用は絶対にやめてほしい」と話した。(山口啓太)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル